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本島最北端の小さな共同売店【奥共同店】

投稿日:2018年4月5日 更新日:

お店

沖縄の小さな集落には、昔から住民たちが共同で出資・運営する小さな商店があります。中でも本島最北端にある奥共同店は、小さいながらも個性豊か。しかも商店だけでなく、住民たちの憩いの場にもなっています。

そもそも運営の仕方が住民主導

沖縄県内各地で見られる共同店(「共同売店」という場合もある)は、一般的な商店とは大きく異なる特徴があります。それが「地域住民が出資し合って運営している商店」というところです。一般的な「地元の商店」と言えば個人商店のことをいいます。運営するのは商店のオーナーであり、地元に密着した運営をすることで地域住民に親しまれる商店となるのが一般的です。

でも奥共同店の場合はそこが違います。共同店の出資者は奥地域に住む住民たちであり、運営するのも奥地域の住民たちです。利用するのももちろん奥地域の住民ですから、「出資・運営・顧客」のすべてが地域住民という特殊性を持っています。

すべてが地域住民のための店

奥共同店の店内には、様々な日用品や食料品のほかに、商店としてはちょっと変わったものが置かれています。それが店内の一角に備え付けられている「机」と「いす」です。

このスペースには、奥地域の様々な年代の住民たちがかわるがわるやってきます。ある時には地域の御婦人方のお茶のみ場であり、ある時は子供たちの勉強部屋になります。店で買い物をする人以外でも気軽に立ち寄り好きなように時間を過ごすのが、このスペースでの人々のルール。だから店の中からはいつも楽しそうな会話が聞こえてきます。

実は創業一世紀の奥共同店

地元住民に愛され親しまれている奥共同店ですが、その歴史がどれくらいあるかご存知でしょうか?実は奥共同店の創業は1906(明治39)年。つまり創業一世紀になるのです。もともと奥地域は林業が盛んな地域です。奥ヤンバルと呼ばれる地域に属する奥地域は、集落の四方をすべて山に囲まれた自然豊かな地域です。隣の集落までは車でしか移動することが出来ない、典型的な過疎地域です。だから沖縄に住む人の間からも、かつては「陸の孤島」と呼ばれていました。そんな奥地域ですので、住民たちが日々不自由なく生活することはとてつもなく難しい事でした。

そこで住民たちが出資し合い、生活に必要になる日用品などを共同購入するために立ち上げたのが奥共同店です。奥共同店の役割はそれだけではありません。地元で採れた林産物の生産や販売を行い、地域産業の支援にもあたりました。さらに製茶、発電、酒造などの事業の母体となり、地域の活性化も図ります。

驚くのは「奥共同店が教育資金などの援助を行う場にもなっている」という点です。もともと沖縄には「模合」と呼ばれる積み立て型金融システムが浸透していますが、それはあくまでも親族や友人などとの交流を目的に続けられているようなものです。これに対し奥共同店の資金援助システムは、いってみれば銀行の融資のようなもので、住民たちにとっては非常に頼りになるシステムと言えます。

このように地域密着型でありながら人々の生活の隅から隅までサポートしてくれるありがたい存在が、すでに100年以上も前から本島最北端の小さな集落で始められていたということが何よりも凄いことなのです。

奥共同店に行ったらぜひ買っておきたいお土産

奥地域に住む人々の生活の中心にある奥共同店ですが、実は今、こうした小さな集落の共同売店のファンがじわじわと増えつつあります。そもそも奥共同店周辺には、街でよく見かけるスーパーなどはありません。24時間空いていてなんでも揃っているコンビニエンスストアも、地域内だけでなくその周辺地域にすらありません。だから地元住民だけでなく、この地域を観光で訪れる人の姿も店内にはちらほらみられるのです。

そんな観光客たちにちょっとした人気があるのが、奥共同店で販売されている珍しいお土産たちです。

くんじゃんナントゥ

奥地域は「国頭」と呼ばれる本島北部地域に属しています。国頭は「くにがみ」と読むのですが、地元では「くんじゃん」と呼びます。ですから「くんじゃんナントゥ」といえば「国頭のナントゥ」ということ!

ナントゥは沖縄で古くから伝わる餅のお菓子のことで、一般的な餅と比べて食感が独特なのが魅力です。基本的に沖縄では正月に食べるお菓子なのですが、昔は店で買うものではなく各家庭で手作りしていました。だから作り方は家庭によってそれぞれ違い、いろいろな味があるのも特徴です。ちなみにくんじゃんナントゥは黒糖味となっていて、ほんのりと甘いところがなんともいい味を出しています。

奥みどり

奥地域で製茶され奥共同店で販売されているのが、「奥みどり」です。特に新茶は「日本で最も早く販売される新茶」ということもあり、実は全国的にも意外とよく知られているブランド茶です。

香りがよく独特の渋みがある「奥みどり」は、お茶の味が濃いのが人気のお茶です。「沖縄でお茶なんてどうせさんぴん茶ぐらいでしょ?」なんて思っているなら、ぜひ一度飲んでほしい!お茶にうるさいあなたでも納得の味です。

  • 住所:沖縄県国頭郡国頭村奥113
  • 営業時間:7:00~19:00(※閉店時間は季節によって前後30分異なります)
  • 定休日:基本的には年中無休(※奥地域の小学校の運動会開催日は休み)
  • 電話:0980-41-8101

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