
沖縄には島の至る所に「御嶽(うたき)」と呼ばれる聖地があります。その中でも琉球七御嶽は沖縄で最初に作られた7つの聖地といわれています。今回は数ある御嶽の中でも特に聖地と呼ばれる琉球七御嶽を紹介します。
琉球七御嶽を作ったのは琉球神話に登場する偉い神様だった
琉球七御嶽は「アマミキヨ」と呼ばれている女性の神様によってつくられた聖地といわれています。
アマミキヨは琉球神話では「沖縄の島をつくった神様」といわれていて、島づくりを終えたアマミキヨが最初に作った7つの聖地が「琉球七御嶽」といわれています。
御嶽は神様が宿る場所と考えられているため、今でも人々の祈りの場所として大切にされています。ただその数は無数にあるため、すべての御嶽を観光の途中で巡るということはほぼ不可能です。
その代り今回紹介する琉球七御嶽は無数にある御嶽の中でも「アマミキヨがつくられた聖地」ということもあり、御嶽の中でも最高ランクに位置します。
どの御嶽も沖縄本島(※久高島は沖縄本島内にいはありませんが、本島から船で移動できます)にありますので、沖縄本島内の観光コースとしてもおすすめです。
クボー御嶽
神様の島と呼ばれている久高島にあります。クボー御嶽は、むやみに人が立ち入ることはできません。
なにしろクボー御嶽の神様に認められた人だけがその聖域に立ち入ることが許されているため、観光で立ち寄ったとしても中に入ることはできません。
ちなみにクボー御嶽にいらっしゃる神様は女性で、あまり人との付き合いを望みません。
ですからクボー御嶽の神様が認めていない人や男性が聖域に入ると、恐ろしい災いが起きるともいわれています。
玉城グスク
玉城グスクは、玉城グスク内にある御嶽です。雨を降らせてくれる女性の神様で、昔から雨乞いの儀式が行われる場所とされています。
御嶽に行くには、城壁にある丸い形をした入口を通る必要があります。この入口は人が入り込むことを拒むかのように小さく、人が一人通れる程度のスペースしかありません。
ただ夏至になるとこの丸い入口から朝日が城内にある御嶽に向かって真っすぐに入り込んできます。この光景を見ることは出来るのは夏至の朝のみなので、非常にレアな風景といえます。
今帰仁グスクのカナヒャブ
今帰仁グスクにあるカナヒャブと呼ばれる御嶽にいる神様は、琉球七御嶽の中で唯一男性の神様です。
何でも今帰仁グスクに安置されている不思議な例席を守ることが役目といわれている神様なので、その体には無数のキズがあるといわれています。
ただしこれは霊石を守るときにできた傷といわれているので、人に害を加えるようなことはありません。
首里森・真玉森御嶽
琉球王朝の象徴であり国王の居城でもあった首里城の城内にある聖地です。
首里森と真玉森御嶽は2つセットで1つの聖地と考えられていますが、ここにいらっしゃる神様は女性一人だといわれています。
ただ現在その場所がきちんと確認されているのは首里森だけで、真玉森御嶽は未だに正確な場所がどこにあるのかわかっていません。
でも神様は首里森の神様と同じだといわれていますので、参拝する時には首里森を訪れると良いでしょう。
安須森御嶽
沖縄本島の最北端にある辺戸岬近くにある御嶽です。琉球七御嶽の女性の神様の中では最も年長の神様といわれていて、空を飛ぶのが得意な神様だといいます。
安須森御嶽は辺戸岬近くの巨大な岩山の上にあるのですが、普段からこの御嶽の神様は空を飛び回っているので特に不便を感じることはないのだそうです。
知念森・斎場御嶽
沖縄本島最高の聖域と呼ばれている斎場御嶽の神様も女性です。
斎場御嶽は新しい聞得大君が決まった時に就任の儀式を行う大切な場所でもあり、この御嶽の神様はこの儀式を執り行う重要な役目があります。
ちなみに斎場御嶽の神様は男性が苦手です。そのためその昔は男性がこの聖域に立ち入ることは一切禁止されていました。
なにしろ国王ですらこの場所を訪れる時には女装をして参拝していたといいます。現在はこの禁制は解かれているので、男性でも中を見学することはできます。
藪薩の浦原
八重瀬町玉城の百名海岸の近くにあります。近くに「受水走水」があるので比較的簡単に場所を探すことが出来ます。
この御嶽の神様はお米作りの名人で、性格も7人いる神様の中でいちばん穏やかです。ただちょっと天然な性格も持ち合わせているようで、時々近くの浜辺に出かけて浜遊びをしたりもします。